寄って撮れるレンズが欲しかった、その切実な理由
日頃の料理ブログの撮影や、小さな被写体を細部まで捉えたいという思いから、ずっとマクロレンズを探していました。メイン機であるSONY α7cでも接写できるレンズを持っておらず、とにかく「寄れる」ことが最優先の条件でした。
最初はEマウントで探しました。
第一候補に挙がったのは、タムロンの35mm F2.8 Macro。しかし、どうしても35mmという焦点域は他のレンズで補いたく、見送ることに。次にソニー純正の50mm Macroを検討しましたが、こちらは完全に予算オーバーで手が出ません。メインカメラ用のレンズ探しは難航し、なかなか購入に踏み切れませんでした。
突然の出会い:光を放ったCanon 5Dとオールドマクロ

そんな時、ふと手元にあるCanon 5Dの存在が頭をよぎりました。
確かに暗所撮影には向かないカメラですが、日中の料理撮影やブツ撮りには問題ありません。そして何より、「50mm単焦点」という、私が探していた焦点距離。
そこでCanon EFマウントのレンズに目を向けたところ、メルカリで出会ったのがCanon EF50mm F2.5 Compact Macroです。価格はなんと7,500円。即座に購入ボタンを押しました。
届いて現物を見て、なぜこんなに安いのかすぐに合点がいきました。これはSTMなどの最新技術を搭載したレンズではなく、フィルム時代に設計された古いレンズだったのです。
最高の写り:オールドレンズの解像力
オールドレンズ、と言ってしまって良いのかは厳密には分かりませんが、その写りは期待を遥かに超えるものでした。
古いレンズだからと侮るなかれ。ブログに掲載する程度の画素数では全く気にならないレベル、というどころか、ピント面は驚くほどシャープに解像します。そして、背景のボケ味も自然で美しく、この価格帯のレンズとは思えないほどの「最高」のパフォーマンスです。
<試写サンプル>





ご覧の通り、写りは文句なしの上々です。
使用上の注意点と割り切り方
もちろん、古い設計ゆえの注意点もあります。
- オートフォーカス(AF)の遅さ: AFは正直言って遅いです。しかし、「使えない」というレベルではありません。スナップ的にサッと撮りたい時にはもどかしさを感じますが、時間をかけて構図を決めるマクロ撮影では許容範囲です。
- 長く伸びる鏡筒: 寄れば寄るほど鏡筒が長く伸びます。これは被写体との距離感に注意が必要です。
- EマウントでのAF非対応: 試しにEマウントアダプターを介してSONY α7cに装着してみましたが、残念ながらAFは作動しませんでした。これは割り切って、5Dでオートフォーカスを活かすか、SONY α7cではマニュアルフォーカス専用として使うことになります。
仕事で宝石のような小さなものを撮影する際にも試しましたが、ガチガチの広告写真のような完璧なシャープネスを期待するのは禁物です。しかし、ウェブサイトやSNSでのスナップ、料理写真には十分すぎる性能です。
結論:予算がない人にこそ試してほしい一本
「予算はないけれど、高品質な接写を楽しみたい」と考えている方に、このCanon EF50mm F2.5 Compact Macroは強くお勧めできます。
¥7,500という価格で、これほどシャープなピントと柔らかなボケ味が手に入る機会は滅多にありません。メインカメラでの使用にこだわらず、もしEFマウントのカメラを所持しているなら、一度試してみてはいかがでしょうか。きっとその写りに驚くはずです。

